
jQueryは、JavaScriptライブラリの中でも特に人気が高く、Webページの動的な操作を簡単に実現できるツールです。jQueryはもう古いと言われていますが、まだまだWeb制作の現場では使われています。
そこで今回は、jQueryの基本的な書き方を解説していきます。
jQueryについての解説や、jQueryを使うのに必要な本体の読み込み方法については、以下の記事を参照下さい。
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 【初心者向け】jQueryとは?CDNを使った本体の読み込み方も分かりやすく解説
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(有料になっていたらすいません🙇♂️)
jQueryを使う手順
まず、jQueryを使うには、以下の手順ですすめます。
- jQuery本体を読み込む
 - jQueryを書く場所を決める(次のセクションで解説)
 - jQueryを書く
 
jQueryを使う準備に関しては、冒頭でご紹介した記事に書いてありますが、まずはjQuery本体を読み込む必要があります。
そして、次にjQueryを書く場所を決めます。
CSSと同様で、HTMLに書いたり、CSSファイルに書いたりと複数の選択肢があります。
あとはjQueryを書くだけです。
jQueryを書く場所
jQueryを使って動的なWebサイトを構築する際、どこにコードを記述するかは重要なポイントです。 適切な場所に記述することで、コードが期待通りに動作し、サイトのパフォーマンスにも影響します。
jQueryのコードを記述する主な場所は以下の3つです。
- HTMLファイル内のscriptタグ内
 - 外部JSファイル
 - WordPressなどのCMSにおける指定の場所
 
HTMLファイル内のscriptタグ内
HTMLファイル内に直接jQueryのコードを記述する方法です。headタグ内、またはbody閉じタグの直前にscriptタグを記述し、その中にjQueryのコードを記述します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
  <meta charset="utf-8">
  <title>jQueryの例</title>
  <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.7.1.min.js"></script>
  <script>
    $(function() {
      // jQueryのコードをここに記述
      $("#myButton").click(function() {
        alert("ボタンがクリックされました!");
      });
    });
  </script>
</head>
<body>
  <button id="myButton">クリック</button>
</body>
</html>- headタグ内に記述する場合
ページの読み込みが始まった直後にjQueryが読み込まれるため、jQueryを使った処理をすぐに実行できる。ただし、jQueryの読み込みに時間がかかると、ページの表示が遅くなる可能性がある。 - body閉じタグの直前に記述する場合
HTMLの解析が完了した後にjQueryが読み込まれるため、ページの表示速度が向上する。jQueryを使った処理は、HTMLの読み込みが完了してから実行される。 
メリット
- HTMLファイルとjQueryのコードが一体化するため、管理がしやすい。
 - 小規模なサイトや、jQueryを部分的に使用する際に便利。
 
デメリット
- HTMLファイルが大きくなり、可読性が低下する可能性がある。
 - 複数のページで同じjQueryコードを使用する場合、コードの重複が発生する。
 
外部JSファイル
jQueryのコードを外部JSファイルに記述し、HTMLファイルから読み込む方法です。多くの人はこれかと思います。
- jQueryのコードを記述したJSファイル(例:script.js)を作成する。
 - HTMLファイルのタグ内またはタグの直前に、scriptタグを使ってJSファイルを読み込む。
 
$(function() {
  // jQueryのコードをここに記述
  $("#myButton").click(function() {
    alert("ボタンがクリックされました!");
  });
});<!DOCTYPE html>
<html>
  <head></head>
  <body>
    <header></header>
    <main>
      <button id="myButton">クリック</button>
    </main>
    <footer></footer>
    <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.7.1.min.js" integrity="sha256-/JqT3SQfawRcv/BIHPThkBvs0OEvtFFmqPF/lYI/Cxo=" crossorigin="anonymous"></script>
  </body>
</html>メリット
- 保守性の向上: jQueryのコードを1つのファイルにまとめて管理することで、修正や更新が容易になる。
 - 再利用性の向上: 複数のHTMLファイルで同じJSファイルを読み込むことで、コードの再利用性を高めることができる。
 - キャッシュの活用: ブラウザは一度読み込んだJSファイルをキャッシュに保存するため、2回目以降のアクセスでは読み込み速度が向上する。
 
デメリット
- ファイルが複数になるため、管理が複雑になる場合がある。
 
WordPressなどのCMSにおける指定の場所
WordPressなどのCMSでは、jQueryのコードを記述する場所がテーマによって決められている場合があります。
多くの場合、functions.phpなどのテーマファイルにjQueryのコードを記述し、wp_enqueue_script()関数を使って読み込みます。
メリット
- CMSの機能と連携したjQueryのコードを記述できる。
 - テーマのアップデートに影響されにくい。
 
デメリット
- CMSの知識が必要になる。
 
どの方法を選ぶべきか?
どの方法を選ぶかは、Webサイトの規模や構成、CMSの利用状況によって異なります。小規模なサイトであれば、HTMLファイル内に直接記述する方法でも問題ありません。
しかし、大規模なサイトやCMSを利用する場合は、外部JSファイルに記述する方法が適しています。
それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、Webサイトに最適な方法を選択しましょう。
jQueryの基本的な書き方
jQueryの基本的な構文は以下の通りです。
$(セレクタ).メソッド(引数);- $: jQueryの関数です。
 - セレクタ : 操作対象のHTML要素を指定します。CSSセレクタと同じ書き方ができます。
 - メソッド : 要素に対して実行する処理を指定します。
 - 引数 : メソッドに必要な値を指定します。
 
読み込むタイミング(省略形の書き方)
jQueryのコードは、HTMLドキュメントが完全に読み込まれた後に実行する必要があります。
これには2つの書き方があります。
$(document).ready(function() {
    // ここにjQueryのコードを記述
});$(document)は『HTML全体』、readyは『読み込み完了したら』というjQueryの関数になります。
そして、こちらが上記の省略形になります。
$(function(){
    // ここにjQueryのコードを記述
});$(document).readyは$と省略できるということです。そしてこれが基本的な形になります。
jQueryの基本形
そして、この中に先ほどの基本的な構文を入れます。
$(function () {
  $(セレクタ).メソッド(引数);
});さらに分かりやすくすると、このようになります。
$(function () {
  $(何を).どうする;
});
jQueryの基本形を使った例
例えば、『pタグを赤くする』なら、こうなります。
$(function () {
  $("p").css("color", "red");
});HTML / CSS が分かっていれば、難しくないと思います。
ちなみに、セレクタや引数は、ダブルクォーテーション("")かシングルクォーテーション('')で囲む必要があります(どちらでもOK)。
セレクタ
おさらいですが、jQueryでHTML要素を操作するには、まず操作したい要素を指定する必要があります。
そのために使用するものがセレクタです。jQueryのセレクタは、CSSセレクタとほぼ同じ書き方ができます。
セレクタを使うことで、特定の要素、または複数の要素をまとめて選択し、それらに対して様々な操作を行うことができます。
基本的なセレクタは、こちらになります。
| セレクタ名 | 書き方 | 意味 | 
| 要素セレクタ | $("p") | 特定のHTML要素を選択 | 
| IDセレクタ | $("#id名") | 特定のID属性を持つ要素を選択 | 
| クラスセレクタ | $(".class名") | 特定のクラスを持つすべての要素を選択 | 
他にも、要素間の親子関係などを考慮して要素を選択する、複合セレクタ(階層セレクタ)などがあります。
| セレクタ名 | 書き方 | 意味 | 
| 複数セレクタ | $("h1, h2, p") | 複数の要素を同時に選択 | 
| 子孫セレクタ | $("div p") | 特定の要素の子孫を選択 | 
| 直接の子要素セレクタ | $("ul > li") | 特定の要素の直接の子要素を選択 | 
| 隣接兄弟セレクタ | $("h2 + p") | ある要素の直後の兄弟要素を選択 | 
| 後続兄弟セレクタ | $("h2 ~ p") | ある要素の後にあるすべての兄弟要素を選択 | 
セレクタはもっとたくさんの種類がありますが、先ほどの『pタグを赤くする』で使ったのは、要素セレクタになります。
メソッド
jQueryのメソッドは、指定したセレクタをどうするのか命令するものです。
HTML要素の操作、イベント処理、アニメーション効果の適用などが可能です。
メソッドで出来ること
- 要素の選択と操作
 - DOM操作
 - スタイル操作
 - イベント処理
 - アニメーション・エフェクト
 - フォーム操作
 - AJAX
 
これらのメソッドを理解し適切に使用することで、効率的で洗練されたWebアプリケーションを開発することができます。
よく使用されるメソッド
- .css(): CSSプロパティを取得または設定
 - .addClass(): クラスを追加
 - .removeClass(): クラスを削除
 - .toggleClass(): クラスの有無を切り替え
 - .show(): 要素を表示
 - .hide(): 要素を非表示
 - .fadeIn(): フェードインで表示
 - .fadeOut(): フェードアウトで非表示
 - .slideDown(): スライドダウンで表示
 - .slideUp(): スライドアップで非表示
 - .click(): クリックイベントを処理
 
メソッドも、もっとたくさんの種類がありますが、先ほどの『pタグを赤くする』で使ったのは、.css()になります。
イベント処理
ユーザーの操作に応じて処理を実行するためのイベント処理は、jQueryの重要な機能の一つです。
基本的な形式がこちら。
$(セレクタ).on("イベント名", function(event) {
    // イベント発生時の処理
});- セレクタ: イベント処理したい要素を指定します。
 - イベント名: 発生を監視するイベントの種類を指定します。(例:click、mouseover、submitなど)
 - function: イベント発生時に実行する関数を指定します。
 
よく使用されるイベント
- click: クリック時
 - submit: フォーム送信時
 - change: 入力値変更時
 - mouseover / mouseout: マウスオーバー / アウト時
 
先ほどの『pタグを赤くする』は、最初から色が変わっていますが、例えば『pタグを(クリックしたら)赤くする』だと、このようになります。
$("p").click(function () {
  $(this).css("color", "red");
});
thisとは?
先ほどの『pタグを(クリックしたら)赤くする』は、このようには書きませんでした。
$("p").click(function () {
  $("p").css("color", "red");
});これだと、pタグをクリックしたら、全てのpタグが赤くなってしまいます。
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$("p").css("color", "red");は、『pタグを赤くする』だからです。
しかし、先ほどの書き方、
$("p").click(function () {
  $(this).css("color", "red");
});この場合は、『クリックしたpタグが赤くなる』になります。
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つまり、thisは『イベントが発生した要素』を指し、この場合だと『クリックした要素』になります。
まとめ
今回は、jQueryの基本的な書き方を解説しました。
jQueryは冒頭でも書いた通り、モダンなJavaScriptフレームワークやブラウザAPIの進化により、必要性は以前よりも減少しています。そのため、プロジェクトの要件や開発チームのスキルセットに応じて、適切な技術を選択することが重要です。
以上になります。

 
